Jijyの逆襲

アーティスト山本正之
作詞山本正之
作曲山本正之
庄左衛門は腕利きの床屋だった
でも若いもんは流行の美容院に通いだす
権之介は頑固な大工だった
でも若いもんはフローリングのマンションに住みたがる
八郎兵衛は勇敢な警官だった
でも若いもんはヘッチャラでコンビニで万引きする
彦一郎は美声の演歌士だった
でも若いもんはCDのラップを買いに行く
Jijyはそれぞれショボくれて背中を丸めて
街の片隅の喫茶店でグチをこぼし合う
ひとりのJijyがわしゃ死にたいと呟いた時
有線放送であの唄が流れだす

くじらは9時に家を出た
ひつじは7時に町を出た
もみじは2時に虹を見た
Jijyは1時にバスに乗る

四人のJijyがいっせいに何かにとりつかれ
NHKのバス停に向かって走り出す

Jijy Jijy いろいろきざんだシワの数
鏡を見たら 夢が映ってた

Jijyがバスに乗った時 カミナリが鳴って
突然バスが空中にふわりと浮き上がる
お客は他に誰もいない 運転手もいない
びゅんびゅん飛んで太平洋の島に着陸をした
ところが海岸もなければヤシの木もない
ゆるく丸い地平線が見えるだけ
四人のJijyがバスを降り見渡していると
足元が揺れ動き島がしゃべりだした

Jijyのみなさんこんにちは ようこそここへ
9時に家を出たボクはくじらです
ボクの背中でリラックス お話ししましょう

くじらからくとらくの文字を抜いたら
残るのはじという字だけ それがJijyです
苦と楽のない仏壇の中に引っ越す前に
もう一度苦と楽とを合わせて活躍しましょうよ
ボクがひと吹き潮吹けば みなさんの心と
体に新しいパワーが生まれます

Jijy Jijy いろいろきざんだシワの数
鏡を見たら 哀愁が映ってた

庄左衛門がうなづいて意見をいった
オレたち60すぎてからモヤモヤしてたよな
権之介がその横で相槌打った
わしらはしょせん世の中のおまけの生き物じゃ
八郎兵衛が目を濡らせ訴えた
わしらの愛しいものものがどんどん壊される
彦一郎が両の手に拳をにぎり
わしらの耳に聞こえるのは枯れた唄ばかり

たとえば電車の山手線シルバーシート
誰もが席をゆずるならあんなもんはいらんはず
たとえば9月15日敬老の日だって
本気でJijyを敬うなら毎日が記念日じゃ
親切心を見せつけて区別をつくり
上辺の世界に閉じ込めるこの国のやり方じゃ
四人のJijyのうっぷんが爆発をした
お願いするよくじらくん わしらにパワーをおくれ

OKそれでは大きく潮を吹きますね
太平洋を切り開き出発しましょう
ひぃー、ふぅー、みぃー、よぉー、
シュウー ~~~~~うわぁ~~~~

Jijy Jijy いろいろきざんだシワの数
鏡を見たら 明日が映ってた
Jijyの逆襲 大逆襲
くじらの背中にまたがって
ずんばらばった大逆襲

東京湾の入り口の見張り番が
双眼鏡の中にでかいくじらをみつけた
なんだあれはへんてこだ くじらのうえに
Jijyが四人のっている なにごとだろう
庄左衛門が腕組んでハハハと笑う
権之介が片膝ついてふふふと笑う
八郎兵衛も彦一郎も白くうすい髪を
潮風になびかせて すんずんやって来る
こりゃあどえらいことだ みんなに知らせよう
自衛隊の出動だ イフクベの音楽だ

Jijyの逆襲 大逆襲
もうじき日本に上陸だ
ずんばらばった大逆襲

庄左衛門が渋谷にのりこんで
シブカジのワンレン頭をバリカンで刈ってゆく
権之介が新宿の都庁にのぼり
大理石の壁をはがして スダレをかけてゆく
八郎兵衛が赤坂の駐車違反の
外車の屋根にマジックで ケロケロケロちゃん描いてゆく
彦一郎が池袋の駅のスピーカーで
山本正之の南国美少女を歌いだす

Jijyの逆襲 大逆襲
Jijyが東京で大暴れ
ずんばらばった大逆襲

それでも誰も止められない つかまえられない
Jijyのアタマが光ってるまぶしくて近よれない
次から次へと痛快なおこないをすれば
それにつられて全国のJijyも動き出す
Jijyがイタメシ食っている ボディコンをナンパしてる
FAX使って無差別に俳句を読ませてる
もう手がつけられない大パニック
テレビが取材にやってくる 雑誌の表紙にもなる
総理大臣に招かれて握手をさせられる
横綱と並んで一日消防署長
ニュースワイドの特集で四人のJijyを
代表して庄左衛門がひとことメッセージする

顔のシワをとってきれいになおすその前に
くずれてしまった心をなおしてほしい

これがすぐさま世界中に報道されて
ブッシュ大統領がエールを送る
専用ジェット機に乗ってアメリカに渡り
講演会の合間にニューヨークを散歩する

ジョン・レノンが殺されたダコタの前で
記念写真をとれるほどカメラにくわしくない

Jijyの逆襲 大逆襲
Jijyが世界を駆けめぐる
ずんばらばった大逆襲

フランス、イギリス、デンマーク、チェコスロバキア、
中国、ソ連、ルーマニア、ベトナム、インドネシア
Jijyは各国を飛びまわり 歓迎されて
漢字でサインをしまくってまた次の国へ向かう
そうして日本へ帰る飛行機の中
四人のJijyは微笑んで満足してた
その時突然雲の上 カミナリが鳴って
飛行機は急降下 海に落ちてゆく
一つしかつんでいなかった救命ボートを
操縦士たちに与えてJijyは游ぎ出す
游ぎ游ぎ游ぎつづけてうづえの中を
めぐりめぐりつづけてJijy ああJijy
四人のJijyは何日も泳ぎつづけて
やがてまたあの島にたどりつく
Jijyのみなさんこんにちわ ようこそここへ
9時に家を出てそろそろ帰りましょう
苦と楽のないところへ行きましょう

庄左衛門がにっこりとうなずいた
権之介がやさしく目をうるませた
八郎兵衛と彦一郎が肩を組んだ
四人のJijyは新しい旅立ちを覚悟した

ワシらほんとによかったな 幸せだったな
産まれて生きて最後に気持ちが良かったな
人生で一番ステキなことは
一番ステキな瞬間に気がつくことだな
四人のJijyをのせた大きなくじら
ゆっくりゆっくり海に沈んでく
青く深く透きとおる水の底
四人のJijyとくじらと苦と楽のないところ

Jijy Jijy いろいろきざんだシワの数
鏡を見たら 誰もいなかった
Jijyの逆襲 大逆襲
くじらの背中にまたがって
ずんばらばった大逆襲

Jijyが消えた後は元に戻って
渋谷にはまたシブカジのワンレンが歩きだす
都庁の壁も灰色に修復されて外車もいばって止めてあり
ラップもまた聞こえ出す
それでもひとつだけ変わったことがある
子供たちの瞳がきれいに染まってる
人間はもともとやさしい生き物だった
それを見せてあげよう きれいな瞳に

Jijy Jijy いろいろきざんだシワの数
鏡を見たら 空が映ってた

Jijyを大事にすることは偽善ではなく
それぞれの人に流れる歴史を守るため

Jijy Jijy いろいろきざんだシワの数
鏡を見たら オレの顔だった
Jijyの逆襲 大逆襲
くじらの背中にまたがって
ずんばらばった大逆襲

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