冬の寒さにつかれた私は
歩くのもイヤになり
羽根を休める小鳥のように
君のそはまで歩いて行くと
トーキー風の街が眠る中では
君ははじめての少女
空っぽの朝のバスに
二人だけでのりたいと
万葉の鏡の花の中を
すきとおってとぶ君は
春に抱きしめられたら
十五のそばかすむすめ
街を通りぬけた朝のバスは
二人をさみしさで結びあい
シャボンの中に抱きすくめ
空っぽの空に遊ばせる
君が欲しい
君が欲しい
青空の見える街を
ちょうちょのようにとんでみれば
もうこの街は君の街
僕はくずれた夕やみの中を
何も思わずとおりぬけ
君のさびしさにそっと言うよ
おまえだったんだね・・・・・・と